「就労移行支援事業所って、どんな場所なんだろう」
名前は聞いたことがあっても、実際に何をするところなのか、学校と何が違うのか、A型やB型とどう違うのかは、はじめて調べる人にはわかりにくいものです。
就労移行支援事業所は、一般企業などで働きたい人に対して、就職に必要な力を身につけるための訓練や支援を行う場所です。
こんかいは、就労移行支援事業所の役割、利用できる人、受けられる支援、利用の流れ、費用、選び方まで、やさしく整理していきます。
就労移行支援事業所は「一般就労を目指すための準備をする場所」
- 一般企業などで働くことを目指す人のための支援先
- 働くための訓練、就職活動の支援、職場実習などを受けられる
- 就職したあとも、職場に定着するための相談につながることがある
- 「働く場所」そのものというより、「働く準備をする場所」と考えるとわかりやすい
就労移行支援事業所とは
就労移行支援事業所とは、ひとことで言えば、一般就労に向けた準備をするための通所先です。
事業所の中での訓練だけでなく、職場体験、求職活動の支援、就職後の相談までを見すえた支援が行われます。
大切なのは、就労移行支援事業所は「ただ作業をする場所」ではないということです。
目的はあくまで一般企業などで働くことなので、事業所での活動は、その人に合った仕事を見つけ、続けるための準備として行われます。
ポイント
就労移行支援事業所は、就職する前の練習と準備をする場所です。
学校とも会社とも少し違う、「働くための力を身につける場所」と考えると理解しやすいです。
どんな人が利用できるの?
就労移行支援は、一般的に就職を希望していて、就職のための訓練や支援が必要な人が対象になります。
「働きたい気持ちはあるけれど、いきなり就職するのは不安」「生活リズムやコミュニケーション面も整えながら準備したい」という人に向いています。
ただし、だれでも自由に申し込んですぐ利用できる仕組みではありません。
障害福祉サービスとして、市区町村の支給決定を受けて利用する形になります。
そのため、本人の希望だけでなく、今の状態や必要な支援内容もふまえて利用が決まります。
こんな人に向いています
- 一般企業で働きたい気持ちがある
- 働く前に生活リズムや体調を整えたい
- 就職活動のやり方がわからない
- 働いた経験が少なく、練習しながら自信をつけたい
事業所では何をするの?
就労移行支援事業所で行われる支援は、大きく分けると働くための訓練、仕事を探す支援、就職後に続けるための支援の3つです。
働くための訓練
働くための訓練といっても、資格の勉強だけではありません。
決まった時間に通うこと、報告・連絡・相談をすること、指示を受けて行動すること、体調を整えることなど、仕事を続けるうえで必要な土台を作ることも大切な訓練です。
仕事を探す支援
就職活動の支援として、履歴書の作成、面接の練習、求人の探し方の相談、実習先の調整などが行われることがあります。
事業所によっては、関係機関と連携しながら、本人の希望や適性に合った職場につながる支援を進めます。
就職後に続けるための支援
就職はゴールであると同時に、新しいスタートでもあります。
仕事を始めたあとには、「職場で困ったことをどう相談するか」「生活リズムをどう整えるか」など、新しい課題が出てくることがあります。
そのため、就職後の定着を見すえた支援も大切です。
事業所で行われることの例
- 生活リズムを整える支援
- ビジネスマナーやコミュニケーションの練習
- パソコン作業や軽作業などの訓練
- 履歴書・面接のサポート
- 職場実習や就職後の相談
就労移行支援事業所は「会社」ではないの?
ここは誤解しやすいところです。
就労移行支援事業所は、A型のように雇用契約を結んで働く場所とは制度上別です。
就労移行支援は、一般企業への就職に向けた一定期間の訓練や支援を行う場所です。
そのため、「就労移行支援に通う=就職したことになる」というわけではありません。
まだ働く前の準備段階の人もいれば、体調や生活面の土台を整えるところから始める人もいます。
仕事そのものの場というより、仕事に向かうための支援の場です。
通い方はどうなっているの?
就労移行支援は、基本的に通所して利用するサービスです。
毎日決まった時間に通う練習そのものが、働く力をつけることにつながります。
通う中で、遅刻や欠席への対応、人との関わり方、体調管理なども少しずつ身につけていきます。
また、必要に応じて職場実習などが組み合わされることもあります。
通うこと自体も大切な練習
就労移行支援では、勉強や作業だけではなく、決まった時間に通うことや
生活リズムを安定させることも大切な支援の一部です。
利用期間はどれくらい?
就労移行支援は、ずっと通い続ける前提のサービスではありません。
一般的には、就職に向けて一定期間で力をつけることを目的としたサービスです。
そのため、「とりあえず長く通う場所」というより、ゴールを意識しながら支援を受ける場所だと考えるとわかりやすいです。
利用するまでの流れ
就労移行支援事業所を利用したい場合は、まず市区町村の窓口に相談・申請します。
その後、必要な手続きを進め、利用のための計画づくりや支給決定を経て、実際の利用が始まります。
つまり、事業所に直接申し込んで、その場で自由に利用開始できるわけではありません。
障害福祉サービスなので、市区町村や相談支援の仕組みの中で進んでいきます。
利用までの一般的な流れ
- 市区町村の窓口や相談支援事業所に相談する
- 利用したいサービスについて申請する
- 必要に応じて計画を作成する
- 支給決定・受給者証の交付を受ける
- 事業所と契約し、利用開始となる
利用料はかかるの?
就労移行支援を含む障害福祉サービスには自己負担がありますが、所得に応じて月額の上限が決められています。
そのため、「使った分だけどんどん高くなる」という仕組みではありません。
実際の負担額は世帯の所得区分などによって変わるため、利用前に市区町村の窓口で確認しておくと安心です。
費用が不安な場合でも、最初からあきらめずに相談することが大切です。
就職したら支援は終わり?
就職が決まったら、それですべて終わりとは限りません。
実際には、就職したあとに「仕事を続けること」で新しい悩みが出ることもあります。
たとえば、職場で困ったことをどう相談するか、生活リズムをどう整えるか、仕事と体調をどう両立するかなどです。
そのため、就職後の職場定着を見すえた相談や支援が大切になります。
大切な考え方
就職はゴールでもあり、新しいスタートでもあります。
「就職して終わり」ではなく、「働き続ける」ことまで考えるのが大切です。
どんな人に向いている?
就労移行支援事業所は、一般企業で働きたい気持ちはあるけれど、その前に準備や練習が必要な人に向いています。
たとえば、働きたいけれどブランクがある人、生活リズムを整えたい人、就職活動の進め方がわからない人、働いた経験が少なく不安が強い人などです。
反対に、今すぐ雇用契約を結んで働くことが現実的な人にはA型が合う場合があり、まずは自分のペースで無理なく通うことから始めたい人にはB型が合う場合があります。
事業所を選ぶときに見るポイント
就労移行支援事業所を選ぶときは、見学や体験のときに、その事業所がどんな就職支援をしているかを具体的に見ることが大切です。
たとえば、「どんな訓練をしているか」だけでなく、「就職先をどう探しているか」「実習先はあるか」「就職後のフォローをどう考えているか」「自分の困りごとにどう対応してくれそうか」を確認すると、事業所の違いが見えやすくなります。
見学で確認したいポイント
- 事業所の雰囲気は自分に合いそうか
- スタッフは話しやすいか
- 訓練内容は自分の課題に合っているか
- 就職支援や実習の体制はあるか
- 就職後の相談についても考えられているか
まとめ
就労移行支援事業所は、一般就労を目指す人が、その前に必要な準備をするための場所です。
働くための訓練、就職活動のサポート、職場実習、就職後の相談まで、幅広い支援につながることが特徴です。
大切なのは、「今すぐ働けるかどうか」だけで決めるのではなく、今の自分に必要なのが何かを考えることです。
働きたい気持ちを、実際に働き続けられる力につなげる場所として、就労移行支援事業所を理解すると、自分に合う進路を考えやすくなります。

