「就労移行支援と就労継続支援A型、B型って、何が違うの?」
障害福祉サービスを調べ始めたとき、多くの人がここで迷います。名前が似ているので、同じようなサービスに見えるかもしれませんが、実は目的・働き方・支援の受け方がかなり違います。
こんかいは、就労移行支援・就労継続支援A型・就労継続支援B型の違いを整理しながら、自分に合う支援の選び方まで詳しく解説します。大切なのは、「どれが上か下か」で考えることではなく、今の自分に合うかどうかで考えることです。
3つの違いは「目標」と「働き方」で考えるとわかりやすい
- 就労移行支援:一般就労を目指すための準備をするサービス
- 就労継続支援A型:雇用契約を結んで働くサービス
- 就労継続支援B型:自分の体調やペースに合わせて、無理なく働く経験を積むサービス
就労移行支援・A型・B型の違いがひと目でわかる比較表
| サービス | 主な目的 | 雇用契約 | 利用期間 |
|---|---|---|---|
| 就労移行支援 | 一般企業などへの就職を目指すための訓練・支援 | 基本的になし | 原則2年(必要に応じて延長あり) |
| 就労継続支援A型 | 支援を受けながら雇用契約を結んで働く | あり | 特に定めなし |
| 就労継続支援B型 | 自分のペースで働く経験を積みながら力をつける | なし | 特に定めなし |
就労移行支援とは
就労移行支援は、一般企業などで働きたい人が、そのための準備をするサービスです。働くために必要な知識やスキルを身につけたり、職場体験をしたり、履歴書の書き方や面接の練習をしたりしながら、就職を目指していきます。
また、就職したら終わりではなく、就職後も職場で安定して働き続けられるように相談や支援を受けられる場合があります。つまり、就労移行支援は「就職する前の準備」と「就職した後の定着支援」の両方を見すえたサービスです。
対象となるのは、一般的に一般就労を希望していて、就職に向けた訓練や支援が必要な人です。「働きたい気持ちはあるけれど、いきなり就職するのは不安」「生活リズムやコミュニケーション面も整えながら準備したい」という人に向いています。
ポイント
就労移行支援は「今すぐ働く場所」というより、就職に向けて力をつける場所と考えるとわかりやすいです。
就労継続支援A型とは
就労継続支援A型は、一般企業で働くのはまだ難しいけれど、支援があれば雇用契約を結んで働ける人のためのサービスです。
A型の大きな特徴は、事業所と利用者が雇用契約を結ぶことです。つまり、福祉サービスでありながら、働く人として雇われる形になります。このため、A型で受け取るお金は「工賃」ではなく、一般的に賃金として扱われます。
ただし、A型は単に働く場所というだけではありません。支援を受けながら仕事の経験を積み、働く力を高めていくことも大切な目的です。そのため、「働きながら成長していく場」として考えるとイメージしやすいでしょう。
ポイント
A型は雇用契約あり。決まった時間で働くことや、継続して通うことが比較的重要になります。
就労継続支援B型とは
就労継続支援B型は、一般企業で働くことが難しく、A型のように雇用契約を結んで働くことも難しい人のためのサービスです。
B型の特徴は、雇用契約を結ばずに利用することです。そのため、A型のように「雇われて働く」形ではありません。体調や不安の大きさ、生活リズム、年齢、体力などに合わせながら、無理のない形で通い、作業や生産活動を経験していきます。
B型は、「まずは通うことに慣れたい」「生活リズムを整えたい」「短時間から少しずつ始めたい」という人に合いやすいサービスです。働くことへの自信を取り戻したり、自分の得意・不得意を知ったりする場にもなります。
ポイント
B型は雇用契約なし。まずは無理なく通いながら、生活や働く力を整えていきたい人に向いています。
自分に合う支援の選び方
支援選びでいちばん大切なのは、「どこが有名か」ではなく、今の自分の状態と目標に合っているかを見ることです。
まず考えたいのは、今の目標が何かです。近いうちに一般企業への就職を目指したいなら、就職活動の支援や職場定着まで見すえた就労移行支援が合いやすいです。反対に、「就職したい気持ちはあるけれど、まずは働く生活に慣れることが必要」という段階なら、A型やB型のほうが現実に合うことがあります。
次に大切なのは、雇用契約で働ける状態かどうかです。決まった時間に通えるか、指示を受けて継続的に働けるか、体調の波にどう対応できるか、といった点は大きな判断材料になります。
さらに、「何に困っているか」も重要です。面接が苦手、履歴書が書けない、職場のコミュニケーションに不安がある、生活リズムが乱れやすい、長時間働く体力に自信がないなど、困りごとは人によって違います。事業所を選ぶときは、「どんな作業をしているか」だけでなく、自分の困りごとをどう支援してくれるかを見ることが大切です。
迷ったときのチェックポイント
- 今すぐ一般就労を目指したいか
- 決まった時間で通い続けられそうか
- 体調や生活リズムは安定しているか
- まず必要なのは就職活動の練習か、働く経験を積むことか
迷ったときに覚えておきたいこと
就労移行支援・A型・B型は、どれか一つが「いちばん良い」というものではありません。今はB型が合っていても、生活リズムが整い、働く力がついてきたらA型や一般就労を目指すことがあります。逆に、すぐ就職を目指すより、まずは安心して通える場所で力をつけるほうが結果的に近道になる人もいます。
大切なのは、「今の自分に無理がないか」「続けられるか」「目指したい将来につながるか」です。支援は、急いで決めるためのものではなく、自分に合った道を見つけるためのものです。迷ったら、一人で抱え込まず、市区町村の窓口や相談支援専門員、事業所の担当者に相談しながら考えていくのが安心です。
まとめ
「自分に合う支援」は、人によって違います。だからこそ、名前のイメージだけで決めるのではなく、目的・体調・生活リズム・働き方の希望をもとに選ぶことが大切です。制度を正しく知ることは、自分に合った一歩を選ぶための大事なスタートになります。


